薬剤は我々の身体を離れると、環境へ影響を与え始める

洗い流す薬:薬、飲料水、環境



水道水に抗生物質は含まれるのか

抗生物質のようなものが、川や湖、飲料水の中にも発見されたと新聞で報じられた。病院で薬を処方されなくても人々はすでに水道水から抗生物質を取り込んでしまっているかもしれない。だが、水道水を検査しても事実は見つからず、医学に起因する健康被害は無いとも報告される。では、どこに真実があるのか。

検査精度の向上によって新たに薬物が検出

15年以上前の検査では検知出来なかったものも、技術の進歩で、かつての1000分の1の濃度でも検出が可能になっている。たとえば400mgの抗生物質を取り込んでいて、それを検出しようとした場合、2億リットルの水を必要とする。これはオリンピックのプールの40杯分に相当する。よって、この濃度であれば健康被害は起こりそうになく、飲料水の少なくとも抗生物質における問題に関しては安全性が保証されているといえる。
だが、問題は飲料水にのみ関わるとは言い切れない。川や海には魚、動物がいる。それらが水中の薬剤を通して摂取してしまった場合、男性化ホルモンに影響して沈静化し、他の動物に容易く捕食される存在となってしまう。アジアではこの例が鳥類に見られる。

薬物の自然環境への流出

では、どのようにして薬物は自然環境に人々の生活から拡散するのか。一つは身体への塗布物や洗剤などが洗い流されて下水へと流れる。もう一つは排泄物からの流出である。それらは下水処理場で処理されてはいるが、完全に除去する事は出来ない。したがって、それらは川へ流され、水分を流した残りの堆積成分も皮肉にも農業肥料として土壌に撒かれる事になる。

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